Skip to Content

親子で楽しむ、リーズナブルなモータースポーツ、ケイズガレージのキッズカート

独自のリース・システムやスクールで気軽にレーシングカートを始められます

      キッズカート用エンジン EC04のメンテナンスと性能向上方法について 2.レギュレーション案

-CONTENTS-

サイトトップページ

技術解説トップ

 EC04のメンテナンスと性能向上方法について

マイエンジン使用のレギュレーション案

 以下は、あくまでも一例としての試案であり、オーガナイザー様やレース主催者の皆様のご参考としていただければ幸いです。

キッズカート・マイエンジンクラス、エンジンレギュレーション案

 原則として、以下の例を除き、一切の切削、加工は禁止とし、純正部品として過去に供給された部品以外の使用は認めない。

1.これまで生産、供給されたEC04系列エンジンの純正部品のみ使用可能とする。
 ただし、シリンダー「MAKITA」と刻印されたもの以外、過去のポート形状の特殊なものの使用は不可 また、リードバルブは、現行パーツと同様の表面が鉄色の鉄製のもののみ使用可能として、一時的に純正部品として供給されていた金色で材質の異なるものは使用不可とする。
 ストップスイッチについては純正品でなくてもよい。
 ただし、ボルト、ナット、ワッシャーの変更は性能に関係しないので、純正部品以外の使用は認める。あわせて、油面安定とオーバーフロー軽減に効果のある、メインジェットの取り付け部にワッシャーを追加することは認める。

2.掃気、排気ポートの研磨による形状変更は一切認めない。上位のものについては、車検にてシリンダーを外して、掃気、排気ポートの部分が鋳造時の表面状態を残し、切削・研磨の跡が無いことで確認する場合がある。

3.原則として追加の切削、加工は認めないが、通常の使用で摩耗する部分については、切削・研磨を認める。
これには以下の部分のみが該当する。

 ピストンリング、ピストンがあたる部分のシリンダー内壁、ピストンリング、ピストン側面の表面、クランクシャフト表面、クランクシャフトベアリング内面、オイルシール内面

 それ以外の切削加工は認めない。確認方法は、シリンダーを外し、目視にて形状、加工跡を確認する。
 従って、シリンダ内面のホーニング、クランクシャフト、クランクシャフトベアリング、オイルシール内面のクリアランス調整のための研磨は認める。このため、車検ではクランクケースの分解は必要でなければ行わない。

 この項目の目的は、新品エンジンでは、クランクシャフトベアリングとクランクシャフトのクリアランスが少なく、この部分をクランクシャフトベアリング内面の研磨によりクリアランスを広げることで回転抵抗が減り、使用頻度の差や、製造誤差による差を無くし、同等条件にするための措置とするためのものである。また、通常のメンテナンスとしてシリンダー内面のホーニングを認めるものである。

4.これまで何種か製造されていた純正CDIの違いによる差をなくすため、プラグは着火性能のよいNGK BPM8Yとし、プラグギャップに規定は設けない。
 推奨参考値は、1.2mm程度であり、これによりCDIの違いによる差はほとんど低減される。

5.フライホイールのキーを抜き、点火時期を変更することは禁止する。車検にてフライホイールを外して確認する。
 また、クランクケースのCDI装着部分のボルト穴を切削加工し、CDIの位置を変え点火時期を変更することも禁止する。

 ただし、あえて調整の範囲を広げてもよいと判断される場合は、点火時期の変更を認めてもよいと思います。

6.ガソリンはガソリンスタンド市販のガソリンのみ使用を認める。異臭等で、特殊ガソリンまたはガソリン添加剤の 有無を確認する。

7.エンジンオイルはカート用として市販されているものに限る。混合比、銘柄は自由とする。

8.燃料タンクには、上記のガソリン、エンジンオイル以外の添加剤の混入は認めない。

9.各種添加剤、グリス類のエンジン内部への塗布は認める。
 これも市販状態のクランクシャフトベアリングのグリスが硬いものであるため、これを除去し、より抵抗の少ない 物に変えたり、フリクション低減効果のある添加剤の塗布を認めるものである。これにより、エンジンの使用状態 による差を無くすことを目的とする。ただし、クラッチシュー、クラッチドラム内部にオイル類を塗布することは一切禁止する。

 以上は共通事項です。

第一案 以下10から12項

 ハイギアード化とキャブレターセッティングを認めることで、エンジンの差をキャブレターセッティングに起因するように誘導することで、それ以外の要素の影響をわかりにくくし、何機もエンジンを用意することを避けるようにします。
 また、この場合は、ラップタイムが3秒程度、最高速が10キロ程度あがるのでレースにおいて、デリバリーエンジン勢と明確にグループが分かれることになります。
 
10.メインジェットは純正の62.5番から70番の間のもの以外の使用を禁じる。車検時にキャブレター下部を取り外し 確認する。

11.キャブレターのジェットニードルのクリップ位置は自由とする。ただし、キャブレター部品の加工は一切禁止とする。

 これらのキャブレターセッティングの自由度を上げることで、セッティングにより差がつくようにします。
また、1-3位の入賞者は、キャブレターセッティング、使用オイル、混合比を文書にて提示する義務を負わせ、これをインターネット等で公開し、情報が広く行き渡るようにするのも良いと考えます。

12.スプロケットはフロント10丁リア96丁の固定とする。アミゴン以外のカートの場合は、このギア比に準ずるものとする。
 これは、ハイギアードにより、エンジン最高回転での差を緩和することを目的としています。


第二案 

 上記の10から13項のかわりに、以下の14から16項に変えることも良いと思います。

 この場合は、大体エンジンの最高回転数が現在のデリバリーエンジンより1000rpmほど高い12000rpm程度で落ち着くと思われますが、多少、エンジンによる個体差が生じる可能性はあります。
 レースにおいて、デリバリーエンジン勢より1秒程度速くなるものの、技量の差によっては同等レベルになり、混走でレースを行う場合は、トップ集団でのバトルが増加すると思われます。


14.メインジェットは純正の70番以外の使用を禁じる。車検時にキャブレター下部を取り外し確認する。

15.キャブレターのジェットニードルのクリップ位置は真ん中固定とする。

16.スプロケットはフロント9丁リア96丁の固定とする。アミゴン以外のカートの場合は、このギア比に準ずるものとする。

■車検について

 車検の方法は、メカニックまたはエントラントによって、指示された分解を車検員の前で迅速に行い、指定された該当部品を提出し、車検員が目視、場合によっては計測を行い違反の有無を確認する。車検終了後の組立も メカニックまたはエントラントによって行うものとする。

 分解車検は、明らかに突出してエンジンにより速いと思われる車両を対象として、車検員の任意で行うものとし、必要が無いと車検員が判断した場合は実施しないこともできるものとする。

 以上の車検についての内容を明記することと、過去にあった、また、今後予測できる違反事例を公開し、過剰な車検担当者の方の手間を軽減します。

■公開する違反事例と車検での確認方法

1.排気ポート、掃気ポート部分の研磨

 シリンダーを開けて目視確認します。必要があれば、排気ポートについては、カーボン除去剤によりカーボンを除去して切削加工の痕跡がないか確認します。

2.その他、レギュレーションで許容されている部分以外のすべての切削加工

 エンジンをすべて分解し、目視または計測確認を行います。これは必要に応じて、車検長の判断でどこまで分解するかは決定されることとします。

3.CDIのフライホイールの取り付け用のボルト穴の切削加工による点火時期の変更

 CDIを取り外し、目視または計測確認を行います。

4.フライホイール側のクランクシャフトのキーの取り外しによる点火時期の変更

 フライホイール側のボルトを外して目視確認します。または、フライホイールを取り外して確認します。点火時期が変更されていなくてもキーがついていなければ失格になります。

5.使用を禁止されている純正部品の使用、および純正部品以外の部品の使用

 確認対象によって必要なエンジンの分解を行い、目視または計測確認を行います。これは必要に応じて、車検長の判断でどこまで分解するかは決定されます。使用が禁止されている純正部品の例としては、「3」の刻印のあるシリンダーや角形以外のマフラー、金色をしたリードバルブなど、各レースのレギュレーションに指定されているものです。

6.リードバルブアッセンブリの部品の純正品以外の使用とすべての切削加工

 リードバルブアッセンブリを取り外して目視またはリードバルブの厚みを計測して確認します。

7.クラッチ部分へのグリス類、オイル類、添加剤等の塗布

 クラッチドラムを外して目視、手での触接で確認します。

8.キャブレターの使用部品と調整が指定されている場合は、メインジェットの変更、ジェットニードル位置の変更、一切の切削加工。

 キャブレターを分解し、目視または計測確認を行います。

9.点火プラグとプラグギャップがレギュレーションで規定されている場合、指定以外のプラグの使用とプラグギャップの変更。

 点火プラグを外して、プラグギャップがレギュレーションで規定されている範囲内かどうかを計測確認します。

10.プラグキャップの純正部品以外への変更

 目視確認を行います。

 

 ギア比やキャブレターセッティングの制限、指定オイルなどについては、各カートコースの特徴や各オーガナイザー様のお考えに基づき実施、変更されるとよいと思います。



  ケイズガレージトップ
Copyright(c)1999- K's Garage, All Rights Reserved.