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  ケイズガレージ・レーシングカートショップ  技術解説-3-1.シート・ポジションのセットアップについて

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1.シート・ポジションのセットアップについて

 大人カートでは、シートポジョンはフレームごとに厳密に規定して設計されていて、それに合わせてハンドルやペダルの位置調整を行うのですが、キッズ、ジュニアカートの場合、ドライバーの体格差が大きいため、そのような設定値はありません。しかし、シートポジョンによってカート全体で最も大きな重量を占めるドライバーの位置は、前後重量配分だけでなく重心位置の高さも含めてハンドリングに非常に大きな影響を与えます。シートポジョンの決定は、マシンの根本的な挙動を決めますので、セッティングの中でも、最も重要で、かつベースとなる項目です。しかし、シートポジョンは、ドライバーの身長によってある程度限定されてしまうため、それに合わせたドライビングスタイルが必要となってきます。

 基本的には、前よりにすると減速時の前輪への荷重移動が大きくなり、ステアリングの効きが良くなって、三輪姿勢が作りやすくなり、よく曲がるマシン特性になります。反面、フルブレーキング時にリアの荷重が不足してタイヤがロックしやすくなり、全体的にリア荷重が少ないことによるテールスライドも発生しやすくなります。また、加速時に、ステアリングを大きく切ったドライビングを行うと前輪の抵抗がより大きくなり、加速が鈍りやすい傾向があります。前荷重のセッティングでは、加速時に舵角を与えることは極力さけるようにしなければいけません。
 つまり、このようにセッティングしたマシンの場合、コーナーの入口で荷重移動を積極的に利用してマシンの姿勢をコントロールして、コーナー脱出では、より直線的か、できるだけ大きなラインをとるようなドライビングが適しています。この場合は、グリップ走行による基本的なレーシングドライビングテクニックがそのままあてはまります。

 また、シートポジョンを後よりにした場合には、減速時の荷重移動が少なく、ブレーキングには有利ですが、ステアリングの応答性が鈍く、初期アンダーが出やすくなります。一方で、コーナー脱出時には、リアの慣性質量が大きいため、ファイナル・オーバーステアが発生しやすくなりますが、トラクションのかかりはいいので、微少なカウンターステアにより四輪ドリフト状態が作りやすいという特徴があります。ただし、いったんリアに荷重がかかり直進状態に近づくと、前輪の荷重が抜け、ステアリングで曲がりにくくなるアンダーステアが発生し、無理に曲げようとすると大きなステアリング操作が必要となって、前輪抵抗により加速が鈍ります。
 リアよりに重心をおいたセッティングしたマシンのドライビングは、コーナー侵入では、積極的に大きめのステアリングを切って、前輪の抵抗によるブレーキング効果と大きな後輪荷重によるブレーキの効きを利用して、より短時間のブレーキングを活用することと、コーナー脱出では、ゼロ・カウンターに近い四輪ドリフトぎみの状態で走行抵抗を減らしてリアを多少スライドさせつつも、強力なトラクションを活かす、といのが適しています。実は、このドライビングは、4WDじゃないRRのポルシェ911のドライビングに通じるものがありますので、そういったドライビング解説書が結構参考になります。同じようにフロントよりの重心の場合は、RX-7のドライビング解説に、近いものがあります。最も解りやすい参考文献としては、実はコミックの「湾岸ミッドナイト」だったりします。(笑) 

 では、どちらが速いのか、ということになるのですが、極端なセッティングでなければ、ドライバーのウデとドライビングスタイルと好み次第、ということが結論です。つまり、首都高で同程度のパワーの911とRX-7とどっちが速いのか、ということと同じです。セオリーとしては前荷重ぎみのほうがドライビングがしやすく、速くなる場合が多いのですが、小学校2.3年生程度で、ある程度身長とドライビングに対する理解力があり、スライドコントロールとカウンターステアを確実にマスターしている場合は、リアよりのセットにした場合、コーナー侵入で、アンダーステアに対して大きな舵角でステアすることで前輪抵抗による減速効果と、リア荷重がしっかりかかることによるストッピングパワーによってブレーキング時間を短くして、なおかつ、コーナリングが始まってリア側に大きな横Gが発生することで、リアタイヤのスライドを引き起こすと同時にカウンターをあて、リアタイヤの絶妙なスライドを与えることで、最大のグリップを引き出し(一般にタイヤが最大のグリップを発揮するのは、スライドが始まり、ブレークするまでの間と言われています。)、姿勢をうまく作り、アクセルを速く開けてほぼゼロカウンターでコーナーを脱出する、というドライビングができれば、これが一番速いと言えるようです。また、どちらにしても、マシンに合わせたドライビングをする、または、ドライビングスタイルに合わせたマシンを作ってもらう能力というのはステップアップしてゆくごとにより重要になってきますので、ドライバーさんとよくコミュニケーションをとり、最初は両方試してみて、ドライビングスタイルを確立してゆくのが良いでしょう。特に、身長の高いドライバーの場合、セッティングの幅が大きいので、シートポジションは重要です。

 また、シートを寝かすか立てるかで、重心高が大きく変わりまずので、これもステアリング特性に大きく影響してきます。重心が高いほどコーナーでは外側タイヤへの荷重が大きくかかります。その反面、サイドフォースは減少しますので、結果、三輪姿勢が作りやすくなり、タイヤのグリップ限界まではしっかりとグリップが得られますが、それを超えると一気にリアがブレークしてスピンしてしまいます。また、イン側の荷重は抜けやすくなるので、四輪トータルでのグリップ力は、重心高が低い場合より少なくなります。重心高が低い場合は、三輪姿勢で曲がるというよりも、インリアは荷重が抜けつつも接地しながら前後方向にスリップしつつも、サイドフォースを受け止めでおり、前輪の舵角で曲がって行くので、進入時のアンダーステアの傾向が発生します、また、リアのブレークも比較的穏やかな挙動を示します。ただし、重心高を高くしての三輪状態でのコーナリングに比較すると、インリアタイヤのグリップが抵抗として働くことと、アウトリアタイヤに対する、地面に押し付ける力が減るので、あまり低すぎるとリアのブレーク限界は低下します。これらは、リアトレッドを変化させた場合でも同様の効果が発生します


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