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    ケイズガレージ・レーシングカートショップ    技術解説-1-2.ブレーキング

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2.ブレーキング Last update 2011.7.10

 過重移動の項目でも触れましたが、キッズカートの段階では、マシンの最高速度が低いこともあって、あまりブレーキングを重要視されない傾向があります。事実、琵琶湖のような高速コースでは、まったくブレーキを使わないでも、それなりのタイムを出してしまう子も結構いますので、つい、とにかくアクセルを踏むことばかりを指導して、ブレーキングがおろそかになってしまいます。そのため、キッズカートのドライビングのクセがつくとジュニアカートでの上達が遅くなるから、年少のうちからジュニアカートへステップアップさせてしまう方も結構いるようですが、これは、大きな誤りといえます。キッズカートでこそ、すばやくかつ的確なブレーキングが必要であり、ブレーキの使い方こそが、タイムアップの最後のあと一歩の差となってあらわれます。
 では、具体的なキッズカートのブレーキングについてご説明しましょう。

 先ほど、琵琶湖のコースでは、ブレーキを使わなくても、そこそこのタイムで走れてしまう、と言いましたが、もしも、中低速コーナーを減速せずにフルスロットルで回ったとしたら、ベストなライン取りをした場合、必ずスピンしてしまいます。ブレーキを使わずにタイムを出している、ということは、ブレーキ以外の方法で減速しているか、または、ベストなラインを使わずにコーナリングしている、ということを意味します。
 ライン取りについては、後述しますが、まずブレーキ以外の方法で減速しているケースですが、具体的には、アクセルオフして減速しているか、加速したままステアリングを大きめに切って、フロントタイアのプッシュアンダーステアによる抵抗でドライバーは減速を行っています。
 
 アクセルオフだけでの減速がタイムロスを生むことは明白です。その分ぎりぎりまでフルスロットルを維持し、強く短いブレーキングで、コーナリングに適切な速度に落とす、というのは、レーシング・ドライビングの基本であり、キッズカートでも同様です。問題は、それがジュニアカートや大人カートに比べて、あまりにも短時間で的確に行われる必要がある、ということです。

 最高速度の低いキッズカートでは、大きめのラインさえ取れば、コーナー進入直前のスピードとコーナーリング前半部のスピードの差が少ないため、ジュニアカートのように、アクセルオフして、ゆっくりブレーキをふんでいると、あっという間に減速しすぎてしまいます。従って、コーナーによっては、アクセルを完全にオフにするのではなく、少し抜く程度にとどめてエンジン回転をキープして、強く短いブレーキを必要最小限で踏み、ほんの一瞬遅れてステアリングを始め、マシンの向きが変わり始めた時には、ブレーキンをリリースしてアクセルを開け始める、という感覚でコントロールすることが必要です。

 特に、ドライバーは、最初のライセンス講習で、ブレーキとアクセルを同時に踏んではいけない、必ずアクセルを戻してからブレーキを踏むように指導されていて、そのことが頭に強く残っています。ビギナーの時はこれは重要なことですが、レーシングスピードでコースを走れるようになると、当然、話は違ってきます。にも関わらず、ドライバーは最初に教えられたことを守ろうとして走行しますから、結果として、タイムを出すためにブレーキを使わなくなってしまう、というのが多く見られるケースです。ある程度マシンコントロールが出来て、そこそこのタイムで走れるようになったドライバーには、まず、ブレーキングとアクセルワークのバランスを教えなおす、ということがとても重要です。問題は、講習の時と違うことを言うわけですから、年少のドライバーさんたちに、頭が混乱せずにどのようにして納得してもらうかは、結構大変なことですが・・・・。

 しかし、ブレーキングがキチンとできるようになることで、マシンの過重移動を利用でき、それまでより、ずっとコンパクトなコーナリングラインをとることでできるようになりますので、確実にタイムが向上します。ブレーキングは減速の手段だけではなく、過重移動によるコーナリングのアプローチのマシンの姿勢制御のためのテクニックでもあります。そしてブレーキングとあわせて、コーナリングラインを変えることも忘れてはなりません。このことはまた、先行車をオーバーテイクする際にとても重要になってきます。

 もうひとつ、ブレーキングについて意識することは、フットブレーキを使わないで減速する方法も習得しておくことも重要です。フットブレーキを使わないで減速する方法としては、ひとつは、前輪のステアリング抵抗を利用すること、具体的には、ストレートの減速区間で、フルスロットル状態のまま大きめのステアリングを切ってわざとプッシュアンダーを出すことで、減速して荷重を前のかけてフロントの向きを変える、という方法、もうひとつは、いわゆるブレーキングドリフトと言われる方法で、前述よりもっと大きく一気にステアリングを切ってリアタイヤのスライドを誘発し、カウンターをあてて、マシンを斜めに向けた状態でコーナーに減速しつつアプローチする、という方法です。どつらの方法もアクセルはほとんどフルスロットルのまま、ステアリングワークだけで、減速、荷重移動によりターンインを行います。また、このふたつの方法は、路面のグリップによって、ステアリングを切ったり戻したりするタイミングとその量が変わってきますので、かなりハイレベルなテクニックです。ひとつ間違うと、スピードを殺しすぎたり、立ち上がりの姿勢がうまく作れなかったりしますので、タイムロスしてしまいますが、うまく決まると確実にタイムアップします。

 以上のように、キッズカートでも、ブレーキングは非常に大切な技術ですが、キッズカートの小ささとパワーの少なさから、特に琵琶湖のコースなどでは、非常に繊細かつすばやい操作が要求されます。これは、幼稚園から小学校1.2年生のドライバーにとっては、感覚だけに頼ってできたとしても、理解して行うには、少々難易度の高い技術です。従って、できれば小学校3.4年生ぐらいまでキッズカートを続けて、このブレーキングと過重移動からマシンの姿勢制御をマスターできれば、ジュニアカートにステップアップしても、すぐにいいタイムが出せるようになります。過去の経験からもこれは多くのキッズカートドライバーにあてはまります。キッズカートは決して、体格の問題でジュニアカートに乗れない子供たちのためのものではありません。小学校3.4年生ぐらいの子供たちにこそ琵琶湖で乗りこなしてもらいたいマシンだと思います。

 最後に琵琶湖のコースでブレーキングの必要性のあるコーナーは、真夏以外のドライ路面の場合、4、6、8コーナーで、路面状況が悪い場合やパッシングラインをとる場合は、2、3、7コーナーがあてはまります。ただし、夏場やハイグリップタイヤでのレースの前後などで路面にラバーがのっていると、タイヤのグリップが上がるので、フットブレーキを使うよりも、ステアリング操作だけの方が速い場合もあります。その他のコーナーではブレーキを使用することはありません。
 これらの技術を習得して、ベストなレコードラインをとれた場合、レースシーズン中のタイムの目安として、まったく手を入れていないレンタルエンジンでも、60秒を切ることが可能です。

 


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