Skip to Content

親子で楽しむ、リーズナブルなモータースポーツ、ケイズガレージのキッズカート

独自のリース・システムやスクールで気軽にレーシングカートを始められます

    ケイズガレージ・レーシングカートショップ    技術解説-2-2.キッズカートのエンジンについて

-CONTENTS-

サイトトップページ

技術解説トップ

2.キッズカートのエンジンについて last update 2014.3.10

 2011年4月現在では、キッズカートのレース用エンジンは、ほとんどすべて、2ストローク40ccの「スバルEC04」が使用されています。昔は、30ccのEC03や50ccエンジンなどもありました。
 スバルEC04は、もともと、30年以上前に設計された芝刈機用のものがベースになっていて、スバルの子会社の富士ロビン、というところが製作、販売していたものを、クラッチをつけてキャブレターを変更してキッズカート、ポケバイ用として現在にいたっています。いまだに、「ロビン・エンジン」と呼ばれることもあります。

 EC04本来の芝刈機への利用は、15年以上前に中止されており、現在は、富士ロビン社も無くなり、スバルブランドの受注生産品として、キッズカートとポケバイ業界にだけ流通しています。長い間、芝刈機用に同系統の排気量の違うエンジンなども生産されていたため、年代によってパーツの形状などの異なったものがあり、現在も混在しているため、シリンダーのどれがいい、とか、コンロッドのどれがいいとか、いろいろ風評はありますが、本来、ローコストで、6000rpm程度の定速回転での使用を前提に設計されていますので、部品精度は大人カートなどのようにシビアではなく、エンジンごとの当たり外れや、オーバーホール方法などで、決定的なことは言えません。
 ひとつ、はっきりしていることは、このエンジンは「育てるエンジン」だ、ということです。前述のように本来、芝刈機のエンジンですから、ジュニアカートのような専用のレーシングエンジンに比べて、工作精度が低いこともあり、最初は、各部のアタリがついていなくて、ベアリングも渋めですので、あまり回転の上がりがよくありません。使い続けることで、だんだん各部のアタリがついてきて圧縮の向上によるトルクアップや回転の上昇が進んできます。ですから、すぐにジュニアカートへステップアップするのでなければ、新品エンジンをライセンス講習から使い、低回転・低負荷の状態からアタリをつけてゆき、ドライバーのキスルアップとともに回るエンジンにしてゆくのが良いと思います。
 それから、エンジンオイルも、半植物性のやわらかいものを使用することで、高回転にとっての相性もいいようです。4ストロークと違い、2ストロークエンジンは圧縮比が低く、バルブ機構も無い為、通常良くないとされる燃焼室のカーボン堆積によるデトネーション(異常燃焼)などの心配もロビンエンジンの場合ほとんどありません。ただし、ピストンリングへまカーボン固着による焼き付きの危険性はありますので、時々、分解して、ピストンリング交換をお勧めしています。また、トップエンドで12500rpm以上まで回るようになると、せっかく育てたエンジンが、シリンダーやピストンの焼きつきを起こす可能性が大きくなってきますので、対策として、ピストンリングの交換や、各種ケミカルの使用をお勧めします。例えば、マイクロロン社の「アッセンブリ・ルブリカント」というエンジン組み付け時に使用するケミカルをシリンダー、ピストンに塗布すると焼きつき防止に効果があることが知られています。また、PL-220S潤滑スプレーやZOILオイルなどのメタルトリートメントも効果があるようです。それでも、リードバルブの強度の問題で混合気の吹き返しが起こるため、最高でも13000rpm強ぐらいがEC04系エンジンの回転数の上限のようです。

 キッズカートのレースでは、ギア比が低く、レギュレーションで固定のため、エンジンの最高回転数イコール最高速ということで、できるだけ回るエンジンが良いとされてきましたが、これは、キャブセットに起因する要素が大きく、現在のように、レギュレーションが厳格になってきたり、琵琶湖のように自分のエンジンが使えないエンジンデリバリー制度が導入されているため、あまりやっきになってチューニングに走るのは無意味なことだと思います。ケイズガレージでも、それなりのノウハウはあり、ご要望があればレギュレーションに抵触しないようチューニングもいたしますが、コーナーで抜き返す腕を磨くほうが、よっぽど有意義だと思います。
 なんか、技術解説ではなく、歴史解説と提案のようになってしまいましたね。


  ケイズガレージトップ
Copyright(c)1999- K's Garage, All Rights Reserved.